繊細さんLife

自分らしく生きるため日々模索中。

不登校体験記③不登校生活を終えて

不登校体験記①不登校体験記②はこちらから

 

将来やりたいこと

3年生へ進学するために、再び学校へ行き始めるか、留年もしくは退学して、このままの生活を続けるか、決断しなければなりませんでした。相変わらず行きたい大学も見つからず、学校へ行く意味も見出せていなかったため、一度退学してから、必要になったときに高卒認定試験を受けようかとも考えていました。

そんな中、自分が将来やりたいことは何なのか、常に考えていたある日「将来はいつか結婚して母親になりたい」と、前からずっと思っていたのをふと思い出しました。大学や職業について考え過ぎるあまり、すっかり忘れていましたが、家庭を築くというのは私の昔からの夢でした。

そして、ふと思ったのです。自分が将来母親になったとき、自分の娘が今の私と同じ状況になったら、何と声をかけるだろうと。「昔、お母さんも同じ様に悩んだけど、学校に行く意味がわからなかったら、辞めたよ」と言うのか、「同じ様に悩んだけど、きっと自分の将来のためになると思って、頑張って卒業したよ」と言うのか。

そう考えた時、一気に霧が晴れた様に感じました。

 

たったの1年間

この、自分が将来母親になったときの想像は、再び学校へ行くことの意味だけでなく、忘れかけていた色々なことを思い出させてくれました。

今はこの瞬間が全ての様に感じるけど、人生100年だとして、高校3年生なんてたったの1年間しかないこと。これから大人になれば、自分で何でも自由にやりたいことができるようになること。今がどんなに辛くても、頑張って乗り越えれば、これから色々な楽しい出来事が待っているかもしれないこと。

せっかく生まれてきたのに、これから待っている予想もつかない自分の人生を体験する前に、たった数年の高校生活のせいで人生を諦めてしまったら、すごくもったいないんじゃないか。そう思い、先は見えないままでしたが、わずかな光を頼りに進んでいこうと決意したのでした。

 

長かった1年間

そうして、2年生の終わりに再び学校へ行き始めました。久しぶりの登校はとても緊張しましたが、友達は、突然私が学校に来なくなったことをとても心配していた様で、たくさん声をかけてくれました。

3ヶ月も休んでいましたから、授業についていくのも必死で、一日のスケジュールをこなすことだけで精一杯でした。全校集会の人混みでは気分が悪くなり、試験の時期には緊張で腹痛に襲われ、何度保健室にお世話になったかわかりません。

毎日学校に行くことだけで精一杯で、もちろん受験のことを考える余裕すらなく、王道のレールからは早々に離脱してしまいましたが、周りの先生方やクラスメイトに助けられながら、何とか日々を乗り越えることができました。

そして、長く苦しい1年間でしたが、何とか無事に卒業することができたのでした。

 

不登校生活を終えて

どうして自分が不登校になったのか、正直今でもうまく説明ができません。高校が原因だと思っていましたが、実は卒業した後も、しばらく生きづらさは続きました。

不登校は良くないと思われる方もたくさんいらっしゃると思いますが、私は自分が不登校になってよかったと、今では思っています。なぜなら、人の痛みがわかる様になったからです。

中学までの私なら、きっと「学校に行かないなんて信じられない」、「何かを途中で投げ出すなんてあり得ない」と言っていたと思います。でも今は、心と体の健康より大事なものは無いし、それが壊れるくらいなら逃げても投げ出してもいい、むしろ逃げた方がいいとすら思います。

どんなに学校や仕事に行こうとしても行けない人だっているし、どうしても何かを投げ出さないといけない理由を抱えている人だっています。心の痛みはその人にしか分かりませんから、その人が辛いと感じていれば辛いのです。

これはよく、自分にも言い聞かせていることなのですが、悩みや辛さに大小は無いと思っています。同じ悩みでも人によって感じ方は違いますし、周りからは大したことじゃ無いように見えても、辛いときは辛いものです。

なので、「こんなことで悩んで、自分ってだめだな」とか「こんな些細なことで傷ついて、自分って弱いな」とか、ついつい自分を責めてしまいがちなのですが、”こんなこと”などと、その悩みや辛さがいかにも小さいことかのように、勝手に決めつける必要は無いと思うのです。

悩みや辛さに基準なんてありませんから、人と比べる必要もなく、どんなことでも自分が辛ければ、それだけ辛いことなのです。そうやって開き直って、「悩んで大変だね、私」とか「傷ついて辛いね、私」と思えるようになれば、ほんの少しだけ生きやすくなるのではと思っています。

 

私も未だに自分らしく生きるために日々模索中の身ですが、皆さんが心と体の健康を第一に、自分を大切にしながら日々を楽しく過ごせるよう願っています。